【介護施設コンサル】スタッフが動かないのか、動けないのか?
介護施設のコンサルティング&研修でのこと。
サービスマニュアルを作成して、基準を明確にし、
スタッフの定着を図る取り組みです。
お客様との接点があるところのマニュアルはおおよそでき、
次は、そのマニュアルに沿ってスタッフが実践できているか、サービスの質を確認するために、
リーダーが各スタッフのロールプレイング(役割演技法)のチェックをします。
こうしてロールプレイングをしてみて初めて、
マニュアル作成の過程で、いろいろな問題点がわかりました。
そのひとつ。
シフトで動いていますから、引継ぎも大切。
しかし、どうも、引継ぎノートの使い勝手が悪いようです。
改めて見てみると、いつもリーダーが書いているだけで、
スタッフがそれに積極的に参加する様子がないのです。
これは、リーダーのストレスの一因。
「何で書いてくれないんだろう!」
スタッフが何でも書きやすいように、
あえて、自由記載のフォーマットにしてあるとのことですが、
いろいろ話を聞いてみた私からの一言は、
「もしかすると、スタッフにとっては、何をそこに書いたらいいのか
わからないのではないですか?」
「自由記載」というのは、
何でも書いていいという便利さがある一方、
人によっては何を書いたらいいのかわからないということもあります。
また、各欄がいろいろ分かれていると、
書きたいことをどこに書いたらいいかわからない、ということもあります。
ですから、人によって、同じような内容なのに、
書く欄がばらばらになるのです。
引継ぎですからポイントが良くわかるように書くことが大切ですが、
どうも見落としもあるようで、
リーダーは後日、いちいちすべて口頭で確認しなければなりません。
これも、リーダーのストレス・・・
「何を書くか」「どこに書くか」と悩むことが二つになるようであれば、
せめてどちらかの悩みが消えるように、
できれば二つの悩みが消えるように・・・と、
リーダー全員でフォーマットを改善しながら試します。
「お客様についての引継ぎ事項」を書く欄があっちこっちと分かれていましたが、
ひとつにまとめました。
そして、あとは「スタッフ間の連絡事項」を書く欄を作っただけ。
これで考え込んだり、悩んだりすることも減るはずです。
スタッフはお客様のためにもっとたくさん考えることがありますから、
こんなところで悩んでいる場合ではありませんものね。
スタッフが「動かない」のは、
動きたいのにどうしたらよいのかわからないのと
わかっているけれど「動かない」ということに大別できます。
この二つは問題解決のアプローチが違います。
今回のケースは、まずは前者ではないか?と仮説を立て、改善策を考えたのです。
「スタッフが動かない」ということを「サイン」と考える習慣を持ちましょう。
そうすると、問題解決への一歩が踏み出せるはずです。