電気工事業の経営者です。若手の職人が定着しません。仕事を教えてもすぐにやめてしまう。なんとかならないでしょうか。

質問内容

電気工事業経営者です。

若手の職人が入社しても教えてもすぐにやめてしまいます。

そもそも今どきの若者とのコミュニケーションの取り方もわからず、モチベーションを上げる方法にも困っています。どうしたらいいのでしょうか。

回答

この質問について、あなたはどのようにお考えになりますか?

こちらのお困りごと、もう少し詳しくお聞きしてみると、以下の3点に分類できそうです。

  1. せっかく教えてもすぐにやめてしまう。この仕事は社員が定着しないのが当たり前ではあるが、なんとかならないか。
  2. コミュニケーションの取り方がわからない。仕事での指導の仕方も、雑談の時に何を話したらいいのかも迷う。わからない。
  3. モチベーションの維持の指標がわからない。何に価値を置いているのか。従って、評価制度もどのようにしたら良いのか迷う。

若手の職人とありますが、それが25歳以下を指しているならば、その若者は「Z世代」と言われる人たちです。

まずは「Z世代」について理解することがスタートですね。

Z世代とは

おおよそ10代半ばから25歳までの人を指すといわれています。

Z世代の特徴

1.デジタルネイティブ

ものごころがついたときから、デジタルが身近であり、Z世代でも若くなればなるほど、スマホが当たり前の人たちです。

比較してみるとわかりやすいかもしれませんが、このオンライン講座の投稿をお読みになる世代の方々は、私も含め、何かを検索するとき、パソコンに向かうほうが入力しやすいのではないでしょうか。

しかしZ世代は、スマホです。パソコンに向かわない人も多いのです。

聞くところによると、大学の卒論をスマホで書く人も少なくないそうです。

空き時間にササっとできてしまいますし、私たちより、圧倒的に入力が早いですものね。

2.新聞やテレビ離れ

情報収集はマスメディアではなく、インターネットやもっと身近なところから行います。

「新聞やテレビ離れ」が進み、WEB媒体が中心です。

新聞を読みなさい、とよく言われますが、新聞を読むのもスマホの時代。

マスメディアには自分に不要な情報が多いと思っているようで、Z世代は、情報収集における取捨選択のスキルが高いといわれます。

また、情報収集時で大切にしていることは、情報の出どころ。

「肉親や友達、日頃からつながっていて信頼のおける人」からの情報を大切に思う傾向のようです。

「●●で3週連続第1位!」というような情報は、「本当に??」とまず考えるとのこと。

そして自分の手で検索して自分にとって必要なのかを確認するのでしょう。

3.社会問題への関心が高い

「SDGs」などにおける環境問題や、多様性などをはじめとする、社会問題に関心が高いです。

ご質問くださった経営者の方は電気工事業とのことですが、たとえば、自社において「SDGs」に関心をもって考えていらっしゃるでしょうか。

もしもまだなさっていないのでしたら、ぜひ若手社員の方と一緒に勉強なさって、自社におけるSCGsの取り組みについて考えてみるのも良いでしょう。

たとえ「うちには関係ないんじゃないかな~」と思っても、まず、一緒にやってみる。

それを仕事や教育の一環として位置付けて、「業務時間内」に取り組んでみるとよいと思います。

そして、その取組を外部にも発信しましょう。

会社でSNS発信をなさっていますか?

私どものお客様でも、Instagramを見て応募してきたという方がいらっしゃると聞きました。

採用媒体で御社の採用情報があったとき、若者はSNSで確認することが多いと考えると、会社としてSNSで発信し、できるだけ会社の素の姿が見えるようにしておくことで、応募者が入社してから「聞いた話と違う」ということは少なくなります。

4.自分の価値観にあうかどうかを重視する傾向

今回のご質問の中で、モチベーション維持の傾向がわからないというお悩みがありました。

もちろん、給与や勤務時間などの条件面も大切ですが、同じぐらいに、自分がこの会社で働く価値があるか、自分の価値観に合うかを大切にしているということです。

だからこそ、SNSで「素の会社の姿」を発信し、価値観があっていると確認して応募してもらうことは、どちらにもメリットがあります。

仮に良い面ばかりを聞かせて入社してもらったとしても、「違うな…」と思ったら退職するということでしょう。

これでは、どちらにもメリットはありません。

Z世代にとって、その企業が優良企業であるかどうかの価値判断は収益性だけでなく、それ以外の「社会的存在理由」が明確かどうかが、価値判断につながるのです。

以上、「Z世代」の大きな特徴を4つお話ししました。

まず、私たちとはまったく違う環境で生まれ育ったZ世代をしっかり理解し、それにあった接し方や発信の仕方、そして、企業の存在理由について経営者も学んでいくことが大切です。

今回のお悩みの「この仕事は社員が定着しないのが当たり前」とありましたが、本当に「定着しないのが当たり前」なのかな?と一度考えてみていただきたいのです。

これまでと同じやり方では「Z世代」には通用しないということであり、「Z世代」にあったやり方を考えていけば、「定着しないのが当たり前」ではないことを実感なさるのではないかと思います。

それにいち早く気づき行動するかどうかが、同業他社とは違った独自路線であり、そうした価値観を求めている若者にヒットし、これまでとは違った結果が出るのかなと思います。

いずれにしても、「Z世代」についてしっかり学び、「Z世代」にあった会社の在り方や育成の仕方を構築していきましょう。

「指導の仕方」については、また別のブログでご案内いたします。

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