新入社員に仕事を教えていてもメモを取りません。どのように指導したらいいですか?

質問内容

新入社員に仕事を教えるとき、新入社員がメモを取りません。とても覚えられる内容と量ではないのに。

どのように指導したらいいですか?

回答

この質問について、あなたはどのようにお考えになりますか?

新しいことや、知らないことを教えてもらうときはメモを取る。

私たちは「ごく当たり前のこと」と考えてきましたが、最近はどうもそれが、当たり前ではないようです。

「メモしなさい」と指導したら、次のような行動が始まり、 指導する先輩が驚いたという話も耳にします。

  • ホワイトボードを写真に収めようとした
  • スマートフォンのメモ機能に入力し始めた
  • 録音し始めた

ところが、「なぜダメなのですか? 録音するほうが正確だと思います」と新入社員に言われたら、なかなか納得のいく説明ができなくて困る先輩もいるようです。

メモをとることの意味

では、メモをとることの意味について、考えてみましょう。

メモをとることが「正確に記録する」という役割だけならば、確かに新入社員が言うように、録音をするほうが間違いないですね。

合理的な方法かもしれません。

しかし、先輩や上司の皆さんは、メモをとることについて

「正確に記録する」以外の役割があることを知っているからこそ、「手書き」でメモをしてほしいのだと思います。

さて、ではどうして「手書き」である必要があるでしょうか。

指導する先輩の立場で考えてみました。

3点あります。

1.要点をメモすることで、忘れてもメモを見て思い出してほしい

指導する立場としては、同じ説明を何度もしたくないものですよね。

人は、覚えられる量に限界があり、覚えたと思っても時間の経過で忘れてしまうもの。

先輩は今から教えることが、どれくらいの分量・難易度・細かさなのかなど、自分が経験していることだからわかっています。

ですからメモを取らないと、とても覚えることはできないことも経験しています。

しかし、新入社員にとっては、未知のことですから、これがわかりません。

話を聞き始めてから「こんなにあるならメモしておけばよかった・・・」と思うこともあるでしょう。

覚えたと思っても、時間の経過とともに忘れるもの。それが人間です。

ですから、未知のことならまずメモをとる、ということが大切なのです。

またメモしておけば、忘れてしまっても大丈夫。

忘れたらメモを見ればいいのですから。

新入社員の皆さんにはそれが安心感につながりますし、

先輩にとっても、同じ話を何度もしなくても済むという安心感があります。

2.メモをとることで、自分の話に集中してほしい

メモをとると決めることで、話を聞く姿勢が能動的になり、集中して聞くことができます。

ただ話を聞いているだけだと、どうしても受動的になりがちです。

社会人は聞いたことを仕事としてアウトプットする必要があることがほとんどですから、「仕事に活かそう」という気持ちで、要点をメモにとる必要があります。

3.メモを取っている姿を見ることで安心できる

先輩は新入社員がメモを取ってる姿をみると安心します。

自分の説明をしっかり聞いていてくれると思えるからです。

逆に、メモをとっていないと、とても不安になるものです。

もしメモをとっていなかったら、本当に覚えられるのかなあ、仕事をするときに困らないかなあ、また説明しなければならないのかなあ、と様々な不安がよぎるものです。

そんな不安があると、先輩も集中して話ができませんから、その状態では、新入社員の皆さんにとってもプラスになりません。

先輩は新入社員がメモを取ってる姿を見ると安心しうれしくなるものです。

またそれは、新入社員の仕事への「前向きな姿勢」として伝わります。

このように考えると、便利さも必要ですが、先輩との信頼関係を築くためにも「メモをとる、それも手書きで」には意味があります。

メモを取らない新入社員には、上記のようなことをお話しいただくとよいでしょう。

仕事を教える前に、先輩ができる準備とは

もうひとつ。

事前準備として大切なこともお伝えしておきます。

もし、先輩が「メモ帳を持ってきなさい」と新入社員に伝えたら、おそらく小さなメモ帳を持ってきます。

そして先輩は「「そんな小さなメモ帳に、どうやって私の説明を全部書き留めることができるの?」と思うものです。

しかし、メモ帳を持ってきなさいといったのは、先輩です。

ここは、伝え方を変えましょう。

「仕事の手順を教えるので、メモができるノートを準備してください」

このように伝えたらノートを持ってくるはずです。

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