「新入社員が質問してこなくて困っている」とマンツーマン指導役の先輩社員。私は上司として、先輩社員にどのようにアドバイスをしたらいいですか?

質問内容

新入社員の指導役を担当する先輩社員から、次のような相談がありました。

「新入社員が質問してこなくて困っています。ミスしてからしか言ってこないんです」

弊社では「いつでも先輩に確認してから仕事を進めるように」と、新入社員にはマンツーマンで指導役をつけていますが、どのようにアドバイスをしたらいいですか?

回答

この質問について、あなたはどのようにお考えになりますか?

新入社員のために、マンツーマンで指導役の先輩をつけていらっしゃるのは、すばらしい取り組みですね。

私もこの方法はとてもよいと推奨しています。

「ブラザーシスター制度」といいます。

また、「いつでも先輩に確認してから仕事を進めるように」と事前に話していらっしゃることもよいですし、おそらく、指導役の先輩社員も「いつでもわからないことは質問してね」とおっしゃっているのでしょう。

にもかかわらず、新入社員が質問してこない、ミスしてからしか言ってこないとお困りということだと推察します。

では、どのようにアドバイスをするか、順を追って解説いたします。

新入社員は、どう感じているか?

まず、新入社員側の意見を紹介します。

  1. マンツーマンで指導していただく先輩が決まっていて、いつでも質問していいといわれているけれど、先輩はとても忙しそうで、いつ質問したらいいのか、タイミングがわからない。
  2. 頼る先輩が一人しかいなくて、こんなにたくさん質問して迷惑にならないのかと、申し訳なく思ってしまう。
  3. 次にやることが大体わかってきたので、自分から動こうと思ったけれど、やはりしっかりわかっていなくて、どうしたらいいのかな~ともたもたしている間に質問するタイミングを逃して、先輩が先にやってしまった。申し訳ないけれど、どうしたらいいのかわからなかった。

このように、新入社員も新入社員なりに、気を使っているようです。

アドバイスの事例

上記は、実際に今年(2021年)の新入社員フォローアップ研修で、でてきた意見です。

次に、私が、フォローアップ研修の場で、新入社員の皆さんに回答したことを紹介します。

① マンツーマンで指導していただく先輩が決まっていて、いつでも質問していいといわれているけれど、先輩はとても忙しそうで、いつ質問したらいいのか、タイミングがわからない。
質問しようと思ったとき、先輩が忙しそうで申し訳ないな…と思ったら、

それを教えてもらわないと仕事が進まないのであれば、その旨を伝えて、すぐに質問し教えてもらう。
後から教えてもらうのでも問題がないのであれば、「お手すきになったら教えてください」と「質問したい予告をする」という方法を使ってみてください。
②頼る先輩が一人しかいなくて、こんなにたくさん質問して迷惑にならないのかと、申し訳なく思ってしまう。
ブラザーシスターの先輩は、新入社員からたくさん頼られて指導することが役割なので、たくさん教えてもらってください。

そして、いつかあなたもブラザーシスターになるだろうから、そのときは、先輩がしてくださったように、新入社員に教えてあげてくださいね。
③次にやることが大体わかってきたので、自分から動こうと思ったけれど、やはりしっかりわかっていなくて、どうしたらいいのかな~ともたもたしている間に質問するタイミングを逃して、先輩が先にやってしまった。申し訳ないけれど、どうしたらいいのかわからなかった。
考えて答えが出てくるなら考えてもいいけれど、新入社員なのだから、経験も少なく、考えてもわからないことはわからない。

だから、迷うことなく質問することが新入社員の仕事です。

(この方は、考えすぎて動けなくなることが多いようでした)

いかがでしょうか。

いずれも「ブラザーシスター制度」の導入をお手伝いした企業の新入社員の方でした。

そのため、教育担当の責任者の方にもフィードバックし、あわせて、社内で改善していただくこととして、以下の2点もお願いしました。

  • 新入社員から言ってくることを待つだけでなく、先輩社員から1日何度かは声掛けをしていただくこと。できれば、「いつ」とか「1日何回」というよう決めてから、始めるとうまくいきます。
  • 15分など短時間でいいので、定期的なミーティングの実施を決め手ください。1週間に1回ぐらいがよさそうです。

いずれも、できるときに、とか、気づいたら、でなく、ルーティンとしてしっかり日常に組み込んで行動していただくことが大切です。

「ブラザーシスター制度」は新入社員の定着率をあげるにも良い成果を出していますので、改善を重ねながら、進めていただきたいと思います。

まだ、「ブラザーシスター制度」をなさっていない場合は、新入社員の入社予定のある企業様はぜひ、取り組んでみてください。

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